SIDS剖検例の凍結心筋標本ゲノムの
DNA解析による遺伝子の検討

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 Arkansas州(人口250万人)の1998年における生存出産数は36,831人であるが、その内339例が生後1年以内の死亡例であった。すなわち、生後1年以内の死亡数は、生存出生例1,000人中9.2人二相等する。これらの生後1年以内の死亡例中、SIDSと診断された例は45例、SIDS(疑)と診断された例が48例であった。

 すなわち、SIDSないしSIDS(疑)と診断された例は93例で、生後1年以内の死亡例の27.4%を占める。これらの例の死亡年齢は生後3カ月であった。

 Ackermanら(2001)は、これらの93例の剖検標本の凍結心筋標本ゲノムのDNA解析を行い、2例(2.15%)に遺伝子SCN5Aの変異を認めた。これらの2例は以下のような例である。

第1例:
 生後6週、男児。発育、栄養良好、満期安産。死亡当日の午前1時までは生存していた。両親の間で、枕を外して上向きに臥床していたが、5−6時間御に死亡状態で発見された。

第2例:生後42日、男児。満期安産。かぶせものによる死亡も完全には否定できないためにSIDS疑診例に分類された。

 これらの2例では遺伝子SCN5Aの変異が認められており、SIDSの中にはこの遺伝子の異常により起こる例があることが示された。

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