症例11.原因不明のST−T異常を示した26歳,男性

心電図目次へ 症例12へ

 症例:26歳,男性
 
主訴:胸痛
 現病歴:3年前に成人病検診で冠不全と診断され,以後,毎年 集団検診で冠不全と診断されている。1か月前,何ら誘因なく胸痛が出現し、約3日間続いた。近医を受診し,精密検査を勧められて徳島大学内科を受診した。


 現症:脈拍数 64/分,整,硬化(ー)。血圧120/70mmHg。身長 183cm,体重 68kg,心音:純,呼吸音:正常。腹部異常なし,浮腫(ー),肝・脾・腎を触れない。
 検査所見:尿:蛋白(ー),糖(ー)。血液:白血球 5,100, 赤血球467万,ヘモグロビン 13.8g/dl,。
血液化学:GOT 19 IU/L, GPT 35 IU/L, 総コレステロール160mg/dl, 中性脂肪 228mg/dl, HDL 30mg/dl, K:4.0mEqa/L, Na:143mEq/L, Cl: 103mEq/L。

 外来初診時の胸部X線写真および心電図を下図に示す。

来院時心電図 来院時胸部X線写真

 この心電図所見をどう読むべきか? また,本例の診断としてどのような病気を考えるべきか?
3年前から心電図異常を指摘され,冠不全と診断されているが,26歳,男性にこのような心電図を見た際には,虚血性心臓病の可能性は低いのではないかと考え,されに検査を勧めるべきであるが,どのような検査を先ず行うべきであるか?

の頁の最初に帰る。  症例11の解答