不整脈原性右室心筋症とJ波

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1.不整脈原性右室心筋症における早期再分極波の出現率
  不整脈源性右室心筋症(arrhythmogenic right ventricular cardiomyopathy, ARVC)は, 1977年、Fontaineらにより初めて報告された疾患である。右室心筋が局所的に脂肪変性、線維化におちいり、右室拡大、右室壁運動異常を起こし、右室起源の心室性不整脈(心室頻拍)、心不全、心臓突然死などを起こす疾患で、その病変は右室の流出路、心尖部、横隔膜面などに好発する。 

 本症においても早期再分極波がしばしば認められることが報告されている。Petersら(2008)は、早期再分極波を、QRS波の後方に出現する頂点の振幅が≧0.1mVのスラーないし結節と定義し、各誘導部位別に見た本症における早期再分極波の出現率を下表のように示している。


早期再分極波出現誘導 例数
下方誘導(第2,3,aVF) 79 22.0
側方誘導(第1,aVL,V4-6) 10 2.8
下方+側方 22 6.1
下方または側方 112 31.2
Peters J et al:Europace 10:1447,2008

2.不整脈原性右室心筋症例で見られた早期再分極波の1例

心室細動発作のCPRによる蘇生後の心電図
Peters J et al:Europace 10:1447,2008

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