Brugada症候群19タイトル

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Brugada症候群と特発性心臓伝導障害(Lnengre病)との密接な関連を示す一家系

  通常のBrugada症候群の 21.5%に遺伝子SCN5Aのαサブユニットに変異が認められま。しかし、この遺伝子の異常はBrugada症候群だけを作るわけではなく、先天性QT延長症候群第3型(LQT3)や特発性心臓伝導障害(idiopathic cardiac conductiondefects, ICCD、Lenegre病)などを起こすことが知られています。

 下図は、Brugada症候群例とICCD例が多く認められた遺伝子SCN5A異常を高率に認める1家系の家系図を示します。 45例の家族メンバーの内、13例(28.9%)に遺伝子SCN5Aの変異を認め、うち4例(8.9%)がBrugada型心電図を示し、その1例は症候性であったために、植え込み式除細動器の植え込みを受けています。本家系の構成員45名の内、3例(6.7%) はICCD例で、その1例は失神発作の病歴があり、ペースメーカー植え込みを受けています。


Brugada症候群とICCD合併例が見られた家系
Brugada症候群と心臓内伝導障害(ICCD)が併存した一家系
(Kyndt,F.,et al:Circulation 104:3081,2001)

 下図は 本家系の構成員の内、Brugada型心電図を示した例の心電図(左図)と心臓内伝導障害(ICCD)を示す例の心電図を示します。左図のBrugada型心電図では、V2で著明なcoved型ST上昇を示します。右図の心臓内伝導障害(ICCD)例の心電図では、標準肢誘導は著明な右軸偏位を示し、胸部誘導の右脚ブロック所見と共にあわせ考え、両脚ブロック(完全右脚ブロック兼左脚後枝ブロック)と診断されます。

同一家系に見られたBrugada心電図とICCD心電図
Brugada型心電図(左図)と心臓内伝導障害(ICCD)例の心電図(右図)
(Kyndt,F.,et al:Circulation 104:3081,2001)

  本家系は 遺伝子SCN5A異常を介して、Brugada症候群と特発性心臓内伝導障害(ICCD, Lenegre病)との間には密接な類縁関係があることを示しています。

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